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肝臓の検査について

健康診断で肝臓の再検査を勧められた人の中には、「何科を受診すればいいのか」、「どんな検査が行われるか」など不安になる人もいるのではないでしょうか。とはいえ、今の状態で放置しておくのは良くありません。

 

 

 

肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、病気の発症に気づきにくいことがあります。そこで、ここでは肝臓の検査についてわかりやすく解説していきます。検査の内容から検査で分かることまで、予習していきましょう。

肝臓の検査は何科?費用の相場は?

肝臓の検査は何科で受けられる?

肝臓の検査を受けるときは、内科系の中でも「消化器内科」を受診しましょう。消化器内科とは、食道から胃、小腸、大腸までの広い領域の病気を扱う診療科です。もちろん、その途中にある肝臓やすい臓、胆のうなども扱っています。近所に一般内科しかないという人は、近場で探すか、かかりつけ医に紹介してもらいましょう。

肝臓の検査、費用の相場は?

肝臓の検査の費用は、5,000円前後が相場とされています。しかし、肝臓の検査とひと口に言っても、どんな検査を受けるかは個人差があります。そのため、人によってはさらに費用がかかる場合もあります。

肝臓の検査では何をする?

 

肝臓の検査で行われる検査内容には、以下のようなものがあります。

血液検査

肝臓は重要な血液の通り道です。そのため、肝細胞などに問題が生じると血液には肝臓からの物質が流れ出します。そこで血液検査では、肝臓から血液へ流れ出した物質の種類や量を検査します。

 

 

 

この物質の詳細がいわゆる「検査値」と呼ばれています。血液検査は、肝臓の検査の中でも代表的なものです。血液検査によって脂肪肝や肝炎といった疾患を発見できることがあります。

腹部超音波検査(エコー)&CT検査

画像を見て肝臓の異常を発見する検査には、腹部超音波検査やCT検査があります。

腹部超音波検査

腹部超音波検査では、超音波(エコー)を肝臓の位置にあてて検査をします。超音波をあてるだけなので、もちろん痛みはありません。また、それほど時間がかからないことから外来でも検査を受けられます。腹部超音波検査では、肝臓の大きさや血管の状態、脂肪がどれくらい付いているかなどが分かります。

CT検査

CT検査は、腹部超音波検査の普及によって使われる機会が減りつつある検査方法です。腹部超音波検査では診断が難しい場合に使われます。

肝生検

肝生検は、もっとも正確な結果が期待できるといわれる検査方法です。そのため、慢性肝炎や肝硬変の確定診断に使われることもあります。

 

 

 

肝生検では、肝臓に針を刺して採取した少量の組織片から、肝臓が病気にかかっているか、またどれくらい進行しているかなどを調べます。検査方法からも分かる通り、体にある程度の負担がかかります。そのため、肝生検を受ける場合は1泊2日ほどの入院が必要です。

肝臓の検査で分かること〜検査値・基準の数値〜

 

先述の通り、血液検査の結果を「検査値」といいます。検査値にはそれぞれ基準となる数値(基準値)があり、これを基にして肝臓の異常を発見することができます。ここでは代表的な検査値を解説していきます。

ALT(GPT)とAST(GOT)

ALT(GPT)

ALT(GPT)は主に肝細胞に存在している酵素のひとつです。通常はエネルギー代謝やアミノ酸代謝を助けていますが、肝臓に異常が生じると血液に漏れ出してしまいます。基準値は30IU/L以下であり、これを上回ると肝細胞が障害を受けている疑いがあります。

AST(GOT)

AST(GOT)は肝細胞のほか、心臓や腎臓などにも存在している酵素です。ALT(GPT)と同じく通常はエネルギー代謝やアミノ酸代謝を助けています。基準値は30IU/L以下ですが、AST(GOT)の場合、複数の臓器に存在しているため、肝細胞の障害のほか、肝臓以外の病気も疑われます。

γ-GTP(ガンマ・ジーティーピー)

γ-GTP(ガンマ・ジーティーピー)は、肝臓にある組織である肝細胞や胆管細胞、さらに胆汁内に存在している酵素です。通常はタンパク質を分解したり、合成しています。基準値は50IU/L以下であり、これを上回ると肝機能異常が疑われます。数値が上がる原因には、お酒の飲み過ぎや肥満、薬による副作用などがあります。

そのほかの検査値

ALP(アルカリホスファターゼ)

肝臓の通常毛細胆管膜に多く存在する酵素です。このほか腎臓の細胞や胆汁内にも存在します。乳製品などに含まれるリン酸化合物を分解するのが主な役割です。基準値は100〜325 IU/L以下であり、これを上回ると肝障害や胆道疾患が疑われます。

アルブミン&総タンパク

アルブミンとは血液中のタンパク(総タンパク)の約7割を占めるタンパク質のことです。血液内で物質の運搬をしたり、体液の濃度を調整するのが主な役割となっています。肝細胞でしか作られないので、肝臓の検査では重要な検査値になります。

 

 

 

基準値は総タンパクアルブミンのみの2パターンあります。総タンパクの場合は6.7〜8.3 g/dL以下であり、アルブミンの場合は3.8〜5.3 g/dL以下となります。

総ビリルビン

ビリルビンとは、赤血球の腫瘍構成物のひとつです。古くなった赤血球のビリルビンは肝臓を通って胆汁内へ捨てられます。肝臓を通る前は「間接ビリルビン」、通った後を「直接ビリルビン」と呼び、総ビリルビンはその総称です。総ビリルビンの基準値は0.2〜1.2 mg/dL以下であり、これを上回ると肝臓や胆管の異常が疑われます。

肝機能数値の異常で疑われる病気

 

肝臓の検査でひっかかると、以下のような病気が疑われます。

アルコール性肝障害

アルコール性肝障害は、長年の多量飲酒が原因となる肝臓の障害です。初期段階では「アルコール性脂肪肝」となってあらわれます。ちなみに脂肪肝とは、すべての肝細胞のうち3割以上が脂肪化している状態です。症状が重くなると「アルコール性肝炎」やさらに重い症状である「アルコール性肝硬変」に進行するおそれがあります。

非アルコール性脂肪肝

非アルコール性脂肪肝は、生活習慣が原因となる肝臓病のひとつです。肝臓といえばアルコールが問題視されますが、脂肪肝は肥満や運動不足、糖尿病によって生じることもあります。非アルコール性脂肪肝の診断には肝生検が必要となります。

肝がん(肝細胞がん)

肝臓から発生するがんや、ほかの臓器から肝臓へ転移したがんの総称です。症状を自覚することが難しく、早期発見・早期治療が重要となります。ほかの肝臓の病気とも関連性があると考えられていることから、肝臓に異常があると診断された方は特に注意が必要です。

肝臓の検査値が悪かった人は食事の改善を!

 

肝臓には体内の血液の4分の1が集まり、毎日500以上の仕事をこなしています。非常に働き者の臓器でありながら、我慢強い一面も持っているので、毎日いたわってあげることが大切です。

お酒との向き合い方

お酒が好きな人は、まず節酒を心がけましょう。日本酒は1合、ビールは中びん1本を目安にアルコール摂取量を減らしてください。また、週2日程度の休肝日を設けましょう。最終的に禁酒につながることが理想的です。

生活習慣の改善

食べ過ぎも飲みすぎも、ストレスが引き金となるケースがあります。そのため、ストレスを溜め込まないライフスタイルを心がけることが大切です。しっかりと睡眠を摂り、十分な休養を摂りましょう。食事面ではカロリーの摂り過ぎに注意するほか、肝臓に負担をかける食品添加物の摂り過ぎにも注意しましょう。

まとめ

肝臓の検査方法や、検査結果が分かることを中心に解説してきました。生活習慣の影響を受けやすい肝臓。定期的に状態を検査し、肝臓に優しい生活を心がけたいですね。